千葉ニュータウン中央駅徒歩3分。消化器病専門医、血液専門医・指導医、総合内科専門医が在籍。

胃がんの初期症状チェック。見逃さないためにできること

胃がんは日本人にとって身近ながんのひとつです。国立がん研究センターの統計でも、毎年多くの方が胃がんと診断されています。

しかし、胃がんの厄介なところは、初期にはほとんど自覚症状がないことです。症状が出てから受診したときには、すでに進行していたというケースが後を絶ちません。一方で、早期に発見できれば、内視鏡だけで治療が完結し、胃を切らずに済む可能性が高いのも胃がんの特徴です。

つまり、胃がんは「見つけるタイミング」がすべてを左右する病気です。

このページでは、胃がんの初期に現れうる症状、リスクが高い方の特徴、そして見逃さないために何ができるのかを、消化器の専門医の立場からお伝えします。

目次

こんな症状ありませんか?

以下のような症状がある方は、一度胃カメラ検査を受けることをおすすめします。

  • みぞおちの鈍い痛みや不快感が数週間続いている
  • 食欲がなくなった、好きだったものを食べたいと思わなくなった
  • とくにダイエットをしていないのに体重が減ってきた
  • 胃もたれが続く、少し食べただけでお腹がいっぱいになる
  • 黒っぽい便(タール便)が出る、貧血を指摘された

正直に申し上げると、これらの症状は胃がん特有のものではありません。胃炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシアでも同じような症状が出ます。そして、早期の胃がんでは症状がまったくないことのほうがむしろ多いのです。

だからこそ大切なのは、「症状があるから受診する」のではなく、「リスクがある人は症状がなくても定期的に胃カメラを受ける」という考え方です。

放っておくとどうなる?

胃がんは、ステージ(進行度)によって治療法も予後も大きく変わる病気です。

ステージIの早期胃がんであれば、多くの場合は内視鏡治療(ESD:内視鏡的粘膜下層剥離術)で切除が可能です。胃を温存できるため、治療後の生活への影響は最小限で済みます。5年生存率も極めて高く、「治るがん」といえる段階です。

しかし、ステージが進むにつれて治療は大がかりになっていきます。胃の一部または全部を切除する手術が必要になり、抗がん剤治療を組み合わせることもあります。ステージIVまで進行すると、根治が難しくなるケースも出てきます。

この差は、がんの悪性度よりも「いつ見つかったか」に左右される部分が大きいのです。年に一度の胃カメラで早期に見つけることができれば、体への負担が小さい治療で根治を目指せます。

胃がんのリスクが高い方

ピロリ菌に感染している(または過去に感染していた)方

胃がんの最大のリスク因子は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染です。

ピロリ菌が胃の粘膜に持続的な炎症を起こし、長い年月をかけて萎縮性胃炎→腸上皮化生→がんへと進行するルートが知られています。日本人の胃がんの多くは、このピロリ菌感染が背景にあると考えられています。

除菌治療を受けた方も、除菌後にリスクがゼロになるわけではありません。除菌前にすでに進んでいた粘膜の変化(萎縮や腸上皮化生)は残るため、除菌後も定期的な胃カメラでの経過観察が推奨されています。

50歳以上の方

胃がんの発症率は50歳を超えると明らかに上昇します。40歳以上の方にはピロリ菌の検査と胃カメラを一度は受けていただきたいですが、50歳以降はとくに定期検査の重要性が増します。

ご家族に胃がんの方がいる

血縁者に胃がんの方がいる場合、胃がんの発症リスクが高まることが知られています。遺伝的な要因に加え、家族内でのピロリ菌感染の共有も一因と考えられています。

ご両親やごきょうだいに胃がんの方がいる場合は、症状がなくても早めに胃カメラを受けておくことをおすすめします。

喫煙・飲酒・塩分の多い食事

喫煙は胃がんのリスクを確実に高めます。また、塩分の多い食事や、塩蔵品(漬物、干物など)を日常的に多く摂る食習慣もリスク因子とされています。

飲酒は胃がんへの直接的な影響は限定的ですが、食道がんのリスクを高めることが明らかになっています。

バリウム検査と胃カメラ、どちらを受けるべき?

健康診断で行われるバリウム検査(胃部X線検査)は、胃の形の異常や大きな病変を見つけるのには有用ですが、早期がんの発見には限界があります。バリウムで「要精密検査」と指摘されてから胃カメラを受ける、という二段階の流れでは、発見が遅れてしまうリスクがあります。

胃カメラは粘膜の色や凹凸、微妙な変化を直接目で見て確認できるため、数ミリの早期がんも発見が可能です。さらに、気になる部分があればその場で組織を採取して病理検査に出すことができます。

「バリウムが苦手だから胃の検査は受けていない」という方には、むしろ胃カメラのほうが向いているかもしれません。当院の経鼻内視鏡であれば、バリウムを飲むよりも楽だったとおっしゃる方も少なくありません。

当院の検査・治療

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)

胃がんの早期発見にもっとも有効なのは、胃カメラによる定期検査です。当院では経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)に対応しており、嘔吐反射を抑えた苦痛の少ない検査が可能です。

消化器内視鏡専門医が検査を担当し、第1・第3金曜日には日本医科大学名誉教授の岩切勝彦医師が上部内視鏡検査を行っています。大学病院と同水準の精度の高い検査を、地域のクリニックで受けていただけます。

ピロリ菌検査・除菌治療

胃カメラ検査でピロリ菌感染が疑われる場合は、そのまま検査を行います。陽性であれば除菌治療(内服薬を1週間)に進みます。

除菌によって胃炎の進行を抑え、将来の胃がんリスクを下げることが期待できます。除菌後も定期的な胃カメラによる経過観察をおすすめしています。

血液検査(腫瘍マーカー・ペプシノゲン法)

血液検査による胃がんリスク評価も行っています。ペプシノゲン法は胃粘膜の萎縮の程度を血液で推定する検査で、ピロリ菌抗体検査と組み合わせることで胃がんのリスクを層別化する「ABC分類」に使われます。ただし、あくまで「リスクの目安」であり、確定診断には胃カメラが必要です。

がんが見つかった場合の対応

万が一、胃カメラで胃がんが疑われる病変が見つかった場合は、速やかに精密検査と治療方針の決定に進みます。当院にはCTも完備しているため、院内でステージの評価に必要な画像検査を行えます。治療は連携する専門医療機関へご紹介し、切れ目のないサポートを行います。

当院へご相談ください

胃がんは「怖い病気」ですが、「見つけられる病気」でもあります。そして、早く見つけるための方法ははっきりしています。定期的に胃カメラを受けること、それに尽きます。

ピロリ菌の感染歴がある方、50歳以上の方、ご家族に胃がんの方がいる方は、症状がなくても年に一度の胃カメラをぜひ習慣にしてください。「バリウムが嫌で胃の検査を避けてきた」という方にも、経鼻内視鏡という楽な選択肢があります。

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